乾燥によって皮膚の水分が減少し、角質層のバリア機能が壊されてしまうと、角質の隙間から細菌やほこりなどさまざまな物質が侵入してきてしまいます。こうした外的な刺激によってかゆみが生じ、更に炎症が起きると、そのかゆみは増していきます。
人の体は体内に入ってきた異物や刺激を排除しようとする命令が脳に送られますが、その働きをする細胞をマスト細胞と呼びます。
皮膚のマスト細胞は、細菌やほこりなどの物質の侵入や外的刺激によって、それを取り払って肌細胞を守るためにヒスタミンという物質を放出し、“かゆい”という信号を脳に送ります。
本来ならば、かゆい場所をかいて異物を排除すればおさまるはずなのですが、表皮自体がもともと荒れた状態であれば、逆にかくことによって表皮のバリア機能はますます壊され、更に異物が入りやすくなり、かゆみが繰り返されてしまいます。
これが、かゆみの納まらない悪循環の連鎖なのです。
皮膚にかゆみが生じる原因には、いくつかの要因があります。
主な原因はやはり乾燥です。健康で水分量が適切な状態の肌であれば、表皮に備わっているバリア機能で肌は守られています。しかし、乾燥して表皮が薄くなったり、ひび割れて隙間ができたりすると、そこから細菌やほこりなどの刺激物が侵入し、かゆみが生じます。
アトピー性皮膚炎は遺伝的な要素もありますが、肌が過敏になっていてすぐに炎症を起こし、強いかゆみが生じます。かくとバリア機能が破壊されて、ますます症状は悪化します。
湿疹性皮膚炎の場合にはアレルギーもありますが、摩擦などの刺激によって接触性皮膚炎(かぶれ)が起きてかゆみが起きます。蕁麻疹の場合にはアレルギー物質に対して肌のマスト細胞からヒスタミンが放出されて脳にかゆみが伝達され、かゆみが起きます。肝臓の疾患や糖尿病などによっても肌にかゆみが起こることがあります。
かゆみといってもその原因にはさまざまなものがあるので、原因を知ってそれに合った対処をしていくことが大切です。